乳癌ステージ3a、3b、3cの生存率や余命は?治療法を徹底解説!
日本人の死因の1位の位置にあり、現代において生死に関わる大病である癌。その中で乳癌は、女性の12人に1人がなるという調査結果が出ています。
今回はその中でも、乳癌ステージ3について、ご説明します。もっと言えば、それを癌の状態によって更に細かく区分しているステージ3a、ステージ3b、ステージ3cの生存率や余命に焦点を当て、その治療法を詳しく解説していきます。
癌はその病状、進行度によって、ステージという段階分けがなされています。ステージ0を加える場合もありますが、多くはステージ1~4まで、数字が大きくなるほど進行していることを表します。
その中でも乳癌ステージ3は、他の臓器への転移が見つかっていない状態です。
けれども、同じステージであっても、どのような状態なのかで生存率や余命は変化し、治療法も異なります。それぞれにどのように違いがあるのかなどをご説明しましょう。乳癌ステージ3の理解が更に深まるはずです。
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乳癌のステージ別生存率と余命はどの位なの?
では始めに、乳癌ステージ3の生存率と、余命についてご説明します。上述の通りステージ3の中でもa,b,cと種類がありますから、それぞれに分けて解説していきましょう。
乳癌ステージ3aの生存率と余命
まず乳癌ステージ3aからです。統計などから判断される乳癌ステージ3aの5年生存率は76%程度となっています。勿論、個人差のある病気ですから、決して一概に言えるものではありません。
この5年生存率というのは、癌を治療してから5年間を生きられる確率のことです。もっぱら医師が予測した生存期間である余命と同義で扱われます。
癌は再発の多い病気ですが、治療から5年を過ぎて再度発症したものは、もう再発ではなく、新たに発症した癌であると考えられます。ですから、5年生存の達成は、完治と同じような扱いがなされます。
さて、こうして乳癌ステージ3aの生存率、余命についてご紹介しましたが、乳癌ステージ3aがどのような状態なのかを知る事も必要ですね。
このステージの状態は、大きく3つに分かれます。
1つ目は、しこりの大きさは2センチ以下で、腋の下のリンパ節に転移が見られる状態です。この時リンパ節に癒着が見られたり、周辺組織に固まっていたりします。
2つ目は、腋の下には転移がないですが、胸骨の内側にある内胸リンパ節が腫れている状態です。
3つ目は、しこりの大きさが5センチ以上あり、内胸リンパ節や腋窩リンパ節に転移がある状態です。
一口に乳癌ステージ3aといっても腫瘍の位置は様々で、癌の状態に幅を付けて定義されています。そして、乳癌ステージ3aの生存率と余命は、癌の種類や進行の状態によって変動するのです。
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乳癌ステージ3bの生存率と余命
続いて、乳癌ステージ3bの生存率と余命についてです。乳癌ステージ3bの5年生存率は、66%となります。5年後10人に6.6人生存する統計が出ており、余命もこれに準じます。
では、乳癌ステージ3bがどんなものかも見ておきましょう。これは、しこりの大きさや腋の下のリンパ節の転移に関わらず、しこりが胸壁に固定しているか、皮膚にしこりが顔を出したり、皮膚が崩れたり、皮膚がむくんでいるような状態です。炎症性乳癌もこの時期に含まれます。
難しい言葉もあり、なかなかイメージが湧きにくいと思いますので、もう少し詳しく解説しましょう。
胸壁とは、心臓や肺を囲む胸骨、肋骨、その近くの筋肉や皮膚によって構成されている、胸の部位の周囲のことです。ここに癌がくっついて固定されることで、治療の際に固定されている部分への配慮が必要になるのです。
皮膚にまでしこりが影響している場合も同じです。しこりだけでなく、それが影響を与えている部分のことについても考えなければいけなくなることが、このステージ3bの特徴ですね。
このように状態が悪化しているので、それに伴いステージ3a比べると生存率と余命も下がるのです。
乳癌ステージ3cの生存率と余命
では続いて、乳癌ステージ3cの場合です。乳癌ステージ3cの生存率と余命は、乳癌ステージ3bから比べると下がります。5年生存率が25%となり、5年後に2.5人が生存している統計です。
癌の状態も数値に表われるように進行しています。乳癌ステージ3cにステージが進むと、しこりは大きさに関わらず、腋の下のリンパ節と胸骨内側のリンパ節の両方に転移が見られます。
または、鎖骨の上下にあるリンパ節に転移がある場合も指します。リンパ節の転移がより多くなると、癌細胞が身体全体に広がりやすくなり、病状が悪化する事に繋がるのです。
にしても、同じステージ3の中でも、これだけ状態に差異があります。では、それを改善するための治療法にも、やはり差異があるのでしょうか?
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乳癌ステージ3の治療法はどうなる?
それでは、乳癌ステージ3の治療法についても見ていきましょう。乳癌ステージ3の治療法は、主に3種、外科治療と抗がん剤治療、そして放射線治療に分けることができます。
これらのうちどの治療法をとるのかが、癌の状態によって変わってくるのです。
外科療法
外科療法はしこり、つまり癌細胞を取り除く手術を行うものです。乳房を全部摘出する手法や、乳房をある程度残す乳房温存手術など、その中でも様々な種類があります。
これはステージ3aでは行えますが、3bと3cでは原則として行えない療法です。
抗がん剤治療(化学療法)
続いて抗がん剤治療です。抗がん剤は癌細胞を増やさず、そして破壊するものです。
また、この抗がん剤単独ではなく、他の薬剤も一緒に用いることでその効果を高めることができます。この薬物による治療法を総じて化学療法とも言います。
これは3a~3cまで全てで行われる治療法です。
放射線治療
最後に放射線治療です。これは癌細胞の成長を遅らせ、縮小させる為に行われる治療法です。根本的な治療の為にメインで使われることもありますし、手術前に癌のサイズを小さくして切除しやすくする為にも使われます。
また、再発防止に使われたり、放射線だけでも治療できそうな転移した癌の治療に用いられたりします。
これも3a~3cまでで行われますが、3aでは手術後の療法として行われることが多いですね。
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まとめ
いかがでしたか? 乳癌ステージ3の治療法について、ご理解いただけたでしょうか?
この記事を執筆するに当たって、まず一口に乳癌ステージ3と言ってもa,b,cと3種類もあるというのは驚きでしたね。
そして、それらによって癌の状態も余命も、治療法も違うというのは初耳でした。
同じように知らなかったという人に、少しでも新たな有意義な知識として、この記事を読んでいただけていれば幸いです。
癌の病状は人によっても大きく異なり、加えて癌の治療法は多種多様です。記事の中でも多少触れましたが、切除手術だけでも乳房をどれだけ残すかなど、様々な違いがあるのです。
癌を治療する上で、自身の癌についてあまりに深く知ることは、余命や生存率なども併せて知ってしまい、怖いことかもしれません。
しかし、患者及びご家族は、自身の病気を詳しく理解し、病状に応じた適切な治療法を選ぶ必要があると思います。
癌になっても、すぐに諦める必要はありません。今回ご紹介した5年生存率も、少なくない確率でまだ望みがあることで、不安が軽減されたのではないでしょうか?
その後の人生に影響を与える治療法も多いですから、患者及びご家族は、専門の医療スタッフと相談して、治療法を選びたいものですね。
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