胃がん 手術後の症状はどの部位に表れるのか!?
胃にがん細胞ができてしまうことで起こる胃がん。その治療法としては、がん細胞を切除する手術が一般的です。
しかし、がん細胞を切除して終わるものなのでしょうか? 胃癌の手術後に、どこかの部位で症状が出たりはしないのでしょうか?
胃という内臓は食べ物の消化に関わります。そこにがん細胞ができて、更に手術で人間が手を加える。そうなっては自然な消化の流れに影響が出ても不思議ではありませんよね。
そして、それが胃やその他の部位に及ぶこともまた考えられるでしょう。
今回は胃がんの手術後に現れる症状を、その部位がどこであるかなどと共に見ていきます。
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胃がん 手術後の症状はどの部位か?
では、胃がんの手術後に起こる症状と、その部位をまずお伝えしましょう。
先に症状を列挙します。
- ダンピング症候群
- 合併症(肺炎)による激しい痛み
- 腸閉塞による様々な部位の痛み
それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。
ダンピング症候群
まず、ダンピング症候群です。これは胃の切除によって、胃から小腸に食べ物が流れ込むのがそれまでよりも急速になって起こるものです。部位としては胃から小腸ですね。胃を切除する手術を受けた人の内、15~30%にみられます。
このダンピング症候群には、早期ダンピング症候群と、後期ダンピング症候群があります。
早期は食後30分~1時間後に起こります。胃の切除によって許容量が頭打ちになって、特に浸透圧の高い食べ物が急速に小腸に流れ込むことで起こります。
症状としては、冷や汗やめまい、だるさなどがあります。人によっては下痢や腹痛、嘔吐が起こる場合もあります。
後期ダンピング症候群は、食後2~3時間後に起こるものです。これはまず小腸で吸収しなくてはいけない食べ物が増えることで高血糖になります。そして、その反動で血糖を下げるためのインスリンが過剰に分泌されて、低血糖に陥るものです。
合併症(肺炎)による激しい痛み
続いて合併症、今回で言えば術後の肺炎です。手術後には抵抗力が弱まっていたり、手術による傷もあって、痰を吐き出す力が弱まります。そして、痰を出し切ることができずに誤嚥(ごえん)してしまって起こるのが、肺炎です。誤嚥とは、飲み込んだものが喉頭(こうとう)(呼吸器官の気道及び発声器官)と気管に入ってしまう状態を言います。
この手術後の肺炎は、胃がんの死亡原因として重要なもので、重度の場合は気管切開が行われる場合もあります。
症状としては一般的な肺炎と同じく、息苦しさ、痰の出づらさなどが挙げられます。
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腸閉塞による様々な部位の痛み
次は、腸閉塞についてです。腸が狭くなって詰まってしまうというものです。
今回においては、開腹手術の後、腸が腹壁や腸同士でくっついてしまう癒着によって、腸が捻れたり、折れたりして詰まってしまう、単純性腸閉塞と呼ばれるものですね。
症状としては、吐き気や腹痛、嘔吐や排便の停止などがあります。これらは軽度であれば胃がんの手術後にみられるものですが、長く続くようなら医師の診察が必要でしょう。
さて、ここまでで胃がんの手術後に起こる症状をご紹介してきたわけですが、どういった症状があるか知っているだけというのも勿体ないですよね?
併せてこれらの症状に対する治療法もご紹介しますので、この機会に胃がんの手術後の経過についての知識を更に深めてください。
胃がん手術後に併発した各痛みの治療法はどうする?
手術後の諸症状の治療法と一口に言っても、先ほどご紹介した通りそれらが起こる部位も、その症状自体もそれぞれ違います。ゆえに、それらに対する治療法も、また症状ごとに違うのです。
今回は上述の3つの症状について、各治療法をそれぞれご紹介しましょう。
ダンピング症候群の状態での治療法
ダンピング症候群には、早期と後期の2つがありますが、どちらにしても、メインで行われるのは食事療法です。
どちらにしても、1回の食事の量を減らします。そして、早期の場合は食事の回数を増やしたり、食べるものを糖質の少ない、高タンパクなものにしていきます。
後期では、1回の食事をゆっくり時間をかけて食べるようにします。また、低血糖に陥ったときに少量の糖分を摂取したりしますね。
ただし、血糖が大きく変動するのは、他の内臓に負担をかけるので、糖分の量を自分でコントロールすることが必要です。
合併症(肺炎) の状態での治療法
続いて手術後の肺炎です。先にも少し述べましたが、重度の場合は気道の切開手術が行われますが、それまでは首にチューブを入れて痰を吸引します。
また、手術前の呼吸機能の訓練や、禁煙も大切です。そして、手術後には、ちゃんと痰を排出すること、深い息を心がけることが重要ですね。
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腸閉塞の状態での治療法
最後に、腸閉塞の治療法についてです。この治療は、単純に言えば絶食です。何かを食べれば腸が詰まる危険性がありますから、点滴などで栄養を取り込むのです。これを保存療法といいます。
手術は更に癒着させてしまう恐れがあるので、最初は行われません。保存療法から1週間以上好転しない、再発しているなどの場合に検討されるようになります。
病状によっては命に関わるものですから、医師にきちんと自覚できる症状を伝え、的確な判断をしていくべきでしょう。
まとめ
胃がんの手術後にある様々な症状について、理解して頂けましたでしょうか?
この記事でご紹介するまで、胃がんの手術後にここまで色々な症状が起こる可能性があり、それに対する医学的な治療法も確立されている事に驚かれたことと思います。胃がんはがん細胞を切除すればそれで終わりと思っていた方も多いのではないでしょうか?
胃がんの手術後の症状というのは恐ろしいものですね。
がんが世の中に蔓延している昨今、決して他人事ではないと言えますから、私自身、そうした状況にならない様、今から気を付けていかなければと身につまされます。
今回記事を執筆するに当たって、自分にとっても胃がんについて真剣に向き合い、役立つ知識を得る再発見となりました。もしも胃がんになったとき、手術後にもまだ覚悟しておくべきことがある、それを知っているかどうかは大きな違いだと思うからです。
今回ご紹介した知識は、胃がんを知っておく上でも手術後の身体の様子が手に取るように分かり、心の準備が整えられることと思います。しっかり理解して、自分の頭に入れておきましょう。
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