乳がんで抗がん剤の副作用への対策を徹底解説!
現代病とも言われる、がん。その中でも乳がんは女性に多く、女性の12人に1人は発症すると言われています。
その治療法はいくつか手法がありますが、治療薬としては抗がん剤が用いられます。しかしこの抗がん剤には、様々な副作用があるのです。
今回は、その副作用はどういった症状が出るのか、またそのための対策についてご紹介します。健康な時から、乳がんの治療に用いられる抗がん剤の副作用や、その対策について知っておくのは必要なことですよね?
ここでは、乳がんにおける抗がん剤の副作用の症状、そしてそれを軽減する対策などをご紹介していきます。
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乳がんで抗がん剤の副作用は、どういった症状が表れるのか?
ではまず、乳がんにおける抗がん剤が、どのような副作用を引き起こすのか、見ていきましょう。症例が多いので、代表的なものを抜粋して、主だったものを箇条書きでご紹介します。
- 吐き気や嘔吐
- 手足がしびれる(末梢神経障害)
- 脱毛が生じる
このようになっています。身体の内部で起こるものから感覚的なもの、外部で目に見えるものなど症状は様々ですね。それでは、一つ一つ見ていきましょう。
吐き気や嘔吐
まず、吐き気や嘔吐です。そしてこれの他に、付随した症状として食欲不振や口内炎、下痢なども起こったりします。
この副作用では、急性や遅発性と種類があります。投与して1,2時間程度ですぐ始まって数時間続くのが急性です。これは1日もすれば治まってきます。遅発性のものは投与から1,2日たった後に現れ、5日ほどと長く続きます。
これは乳がんにおける抗がん剤の副作用として、最もよくあるものです。そして抗がん剤投与を続ける限り、付き合っていかなければならない副作用でもあるのです。
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手足がしびれる(末梢神経障害)
続いて、手足のしびれについてです。麻痺している感覚、あるいは動きのぎこちなさなどが挙げられます。
これは神経系が抗がん剤の影響を受けることで、末梢神経にもそれが及んで起こるものです。ですので、末梢神経障害とも呼ばれています。
末梢神経の中でも、感覚神経に対しては手足のぴりぴりとした痺れや、うずくような痛み、手足の感覚がなくなります。
運動では力が入らなかったり、つまづく、掴んだものを落とすなど症状が異なります。
自律神経に起きた場合には、手足の冷たさや、汗をかかないなどの症状が出ます。
脱毛が生じる
最後に、脱毛です。これは多くの患者ががん治療における苦痛としてあげるものです。あるデータでは、がん治療後の98%に脱毛がみられるともされています。
脱毛と一口に言っても、なかなかイメージが湧きにくいかもしれませんが、それは頭髪だけの問題ではありません。睫毛や眉毛など、全身の毛が抜けてしまうというものです。
ここまで、抗がん剤治療による副作用をご紹介しましたが、それだけでは解決策が分からず、どうすればいいのか悩みますよね。ここから、その副作用に対してどう対処すればいいのかを見ていきましょう。
乳がんで抗がん剤の副作用を軽減する対策はどうする?
では、もしも抗がん剤が用いられた場合、その副作用をどうやって軽減するのか、その対策を考えていきましょう。こちらも先に箇条書きでご紹介します。
- 吐き気と嘔吐への対策
- 手足のしびれによる対策
- 脱毛によるショックの緩和対策
それではこちらも、1つずつ見ていきます。
吐き気と嘔吐への対策
まず、吐き気や嘔吐ですね。昨今では、この副作用に対する制吐剤、簡単に言うと吐き気を抑える薬が進歩してきました。
抗がん剤の点滴による投与の前に、まず制吐剤を点滴します。あるいは抗がん剤投与から期間をおいて起こる遅発性の吐き気には、錠剤で服用します。そうすることで吐き気のきっかけとなる物質をブロックするのです。
具体的な薬としては、副腎皮質ステロイド、5-HT3受容体拮抗剤、ドーパミン受容体拮抗剤など非常に様々です。前述の通り、吐き気は急性であったり遅発性であったりしますから、それぞれにあった薬剤が選ばれるのです。
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手足のしびれによる対策
続いて、手足のしびれに対する対策です。こちらも吐き気に同じく、薬による症状の緩和が図られます。
具体的には、しびれの改善にビタミンB製剤、痛みに非ステロイド性抗炎症剤などが使われます。耐えきれない激しい痛みには、オピオイド(麻薬性鎮痛剤)などが使われることもありますね。
他にも、
- アセチル-L-カルニチン(サプリメント)
- αリポ酸(サプリメント)
- 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)漢方薬
- 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)漢方薬
なども、有効性が唱えられています。
しかし、ものを持つときに掴みきれなかったり、落としてしまうことはあります。重いものを持つときや、刃物を扱うときには注意が必要です。時には事情を話して周りの人の協力を仰ぐことも必要でしょう。
脱毛によるショックの緩和対策
次に脱毛の対策についてです。正直なところ、脱毛を防ぐような医療的な対処法は、まだ確立されていません。今の段階では、脱毛によるショックを緩和させることに重きが置かれています。
患者への事前の理解、かつらの用意や、その製作のためのノウハウなどが広く認識していくことが必要です。また、その患者に対する周りの理解も求められるところですね。
しかし、これだけ副作用に種類があると、各種に応じて対処するのは大変ですよね?
そこで、これらの副作用が起こる時期などを把握しておくことも、重要だと思いませんか?
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副作用が出る時期を知って記録しておく
副作用の出た時期を記録して把握しておくこと、併せて体調の変化なども記録しておくことも、抗がん剤の副作用に対する対処法として適切でしょう。
これによって、症状が起こる際の心の準備もできますし、また自身の状態を客観的に知ることができます。治療のプロセスにおいても、患者の状態を周りの医療スタッフが細かく知ることができます。これによって、より質の高い治療を期待することができるのです。
つらい治療や体調を事細かに記述し続けるのは難しいですから、簡単なメモ程度で、気楽に書いていきましょう。
抗がん剤の副作用が恐ろしいからそれ以外の治療法はあるの?
最後に、抗がん剤を使わないような治療法を紹介しておきましょう。がん治療は抗がん剤治療以外にも、放射線治療や手術などがあります。
そして、これらの中から選択して治療が行われますが、どれか一つにしなくてはいけないというわけではありません。抗がん剤でがん細胞を縮小しつつ、放射線治療で更にがん細胞の増殖を防ぐ、といった手法もとられます。
そこで、抗がん剤による治療法を選択しない、ということも可能です。その場合は、抗がん剤治療以外の治療法を組み合わせたりしながら行っていきます。
ただ、がんにおける抗がん剤使用はガイドラインにも載っている一般的な治療法です。それを行わないということには、リスクも伴いますから、担当医とよく相談した上で決定するべきでしょうね。
まとめ
いかがでしたか? 抗がん剤治療における副作用について、駆け足でしたが総括的にご紹介しました。是非十分な理解で、知識としてこれからも頭に留めておいていただきたいです。
と言うのも、知らない中で抗がん剤治療に入ってしまってはとても大変なのです。今回の執筆に当たって、様々な体験記などを読みましたが、知識のない状態で副作用に苦しむのと、心の準備ができた上で副作用が現れるのとでは、先々の見通しを把握するのに大きな違いがあるのです。
特に脱毛については、前もってかつらの用意をしたり、あるいは脱毛するということを知っておくだけでも、患者の心情が少しばかり和らぎ、精神的な負担が緩和されるので良いことです。
この記事を読んだ方が元気で乳がんをはじめ、何の病気でなくても、これからどうなるかは分かりません。
また、患者さんにとっては、お伝えした情報がお役に立ち、心の拠り所となっていれば幸いです。
今のうちから知識を得て、いつか来るかもしれない未来に備えてくださいね。
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