乳癌ステージ2bの生存率、余命、再発率は?治療の詳細を解説!
癌は日本人の死因1位であり、その特徴としてステージという段階分けがなされています。そして、乳癌は女性のうち12人に1人が発症すると言われています。
今回扱う乳癌ステージ2bは、乳癌ステージ1と比べ腫瘍の大きさが1~3センチ大きくなり、脇の下のリンパ節に転移が見られる時期の事を指します。乳癌の中でも進行が進み始めた状態ですね。
癌の進行が進んでしまうと適切な治療が行いにくく、命を落とす危険が大きくなり、生存率が下がってしまいます。それをふまえここでは予備知識として、生存率、余命、再発率について紐解いていくと同時に、治療は一体何をするのか詳細に迫ります!
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乳癌ステージ2bの生存率はどれ位なの?
乳癌ステージ2bの生存率は、5年後に約88%となります。乳癌ステージ1では5年生存できる確率が95%ですが、癌が進行することによって生存率が下がってしまいます。
乳癌ステージ2bでは、脇の下のリンパ節に転移が見られ、浸潤する確率がステージ1より高まってしまうのです。なぜ、リンパ節に転移が見られると浸潤する確率が高くなるのでしょうか?
リンパ節は病原菌を食べ、免疫を作るリンパ球の住処です。併せて、リンパ球を身体中に巡らせるリンパ液を濾過する役割も担っています。通常、細菌はリンパ球によって食べられますが、処理できない癌細胞や病原体は、リンパ節に留まってしまいます。
これらが身体中を巡るリンパ液に乗ると、他臓器へ癌細胞を送る事となり、転移する細胞が増えてしまうのです。それゆえ、リンパ節に転移が見られると浸潤する確率が高くなり、生存率も下がります。
乳癌ステージ2bにおける余命とは?
乳癌ステージ2bにおける余命は、「5年生存率」と同じような意味で使われます。これは癌の治療を受けた人が5年生存できる割合を示します。
癌は発症した後転移して広がっていきますが、その中で5年再発なく生きられるということは、ある種その癌の完治と近い意味を持つのです。5年空いてからの再度の発症は、それは前の癌の再発ではなく新たな癌であると考えられるからです。
乳癌ステージ2bにおけるその5年生存率は、先に述べたように約88%となっています。5年後に10人中8.8人が生きているという事になりますね。
余命と聞くとその日からどれ位生きていられるのか、と言うような最期を意識した言葉の印象が強いです。
しかし、乳癌ステージ2bは生存率が高い時期なので、「医師が死期に向かう患者の共通点や、自らの経験に基づいて予測した生存期間」としての余命が、「5年生存率」と同義語で使われる場合もあるのです。
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乳癌ステージ2bの再発率はどれ位なの?
乳癌ステージ2bの再発率は、約30%~40%と言われています。術後、腫瘍の癌細胞が全摘できず再発してしまう可能性が10%以下であるステージ1に比べれば、やはり高くなってしまうのです。
これは乳癌のステージが進めば進むほど癌細胞が広がり、手術で全摘が難しくなることが原因です。早期発見をして癌細胞の浸潤を抑制する事で、再発率を下げる事ができるのです。
乳癌ステージ2bの再発を防止するには?
また、患者自身でも癌の再発防止に努めることができます。それまでの習慣を見直し、変えていくことで、身体を健康にし、癌に立ち向かっていくことができるのです。
具体的には運動や、食事の習慣ですね。最近では、乳癌においては1日に4,5時間のウォーキングを行うことで、乳癌の死亡リスクを下げることができるという研究結果が発表されています。そして、それは癌の再発防止にも適しているとされています。
また、食事も改善できる大切な要素です。肥満状態の人はそうでない人に比べて、乳癌による死亡や再発のリスクが高いのです。原因としては、肥満である場合手術の後の治療の効果が低くなることが考えられています。
これを改善するには、食生活を見直す必要があります。肥満を防ぐ、つまり生活習慣病を防ぐような食事を心がけるといいのです。
ここまで見て思うに、癌になってしまうと、それまで以上に健康が必要なのではないでしょうか? 適度な運動、バランスのとれた理想的な食事。どちらも癌でなくとも健康の為にとても有用なものですね。
癌の再発防止の目的のため、まず自身の健康を見直すことが、その第一歩なのかもしれません。
しかし、再発以前にまず発症してしまった乳癌を治療する必要がありますね。続いては乳癌の治療方法について見ていきましょう。
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乳癌ステージ2b治療の詳細は?
乳癌ステージ2bの治療は、主に手術が基本になり、2種類に分類されます。乳房を全部切除する全乳房切除術と乳房を残す乳房温存術です。この外科治療に加えて、癌細胞の死滅を目的とした抗がん剤を使用する化学療法を行います。
また、癌細胞は増殖にエストロゲンなどの女性ホルモンを必要とする細胞もあるので、場合によっては女性ホルモンを抑制するためにホルモン療法も組み合わせます。
乳房切除術
ではそれぞれを詳しく見ていきましょう。まずは乳房切除術です。これは奥の胸筋を残して、乳房を全て切って取り除くものです。
癌が乳房の中で広範囲に広がっている場合に行われます。以前はこれが乳癌の手術の主流でしたが、最近では次の乳房温存術の方が多くなってきています。
乳房温存術
乳房温存術は、その全てを摘出するものと比べて、しこりのある部分だけを切除することで、乳房を残そうとするものです。現在ではこちらが主に行われます。
乳房温存術の中でも、しこりからどれだけの範囲を取り除くかなどで細かな違いがあります。一番安全性をとれば乳房の変形などを覚悟する必要がありますし、逆をすれば癌細胞が残ることを覚悟しなければいけませんね。
また、この手法をとる場合は、残した乳房からの再発を抑止するために放射線をあて、癌細胞を死滅させる方法が加わります。
抗がん剤治療(化学療法)
最後が抗がん剤治療(化学療法)です。メスを入れるような手術は行わず、放射線治療や
、薬物治療で癌細胞を撃退する方法ですね。
様々な手法で癌細胞の死滅を目指しますが、副作用が出やすい事がデメリットとして挙げられます。それ故、標的となった癌細胞だけにハープチンという分子標的薬を使用し、正常な細胞を傷つけないようにすることで、副作用を緩和した治療法もあります。
まとめ
いかがでしたか? 乳癌ステージ2bにおいて生存率は高いですが、再発する危険がステージ1と比べ高くなってしまいます。乳癌は再発すると完治が難しい病気なので、日頃から早期発見を心掛ける事が大切ですね。
今回、この記事を執筆するに当たって、患者が行えることも意外とたくさんあるという印象を受けました。確かに治療を行っていくのは医療スタッフの方々ですが、どの手法を選択し、実行していくかという判断は、それを受ける患者本人にかかっています。
また、再発防止に関しても、医療技術だけではなく、当人である患者がいかに健康的に暮らすかということも大切なのです。
患者自身が乳癌をよく知り、方策を学び、自身の生きていく道を決めていく必要があるように思います。
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