双極性障害 家族の対応方法とは?現患者のA美さんが語る!
双極性障害(躁うつ病)は、ただの気分屋さんだと思っている方が中にはいらっしゃるかもしれません。
日本では500人に1人の割合で発症していると言われていますが、世界的に見ると100人に1人がかかる病気だそうです。
そして、誰もがかかりうる病気とも言われています。
家族間でも病状の把握が難しく、病気としての認識ができなかったことで家庭が崩壊し、離婚に陥るケースも少なくないようです。
前回も別記事の方で少しお伝えしたことがあるのですが、私の知人であるA美さんは双極性障害を患っています。
この記事では、双極性障害を患っている患者への家族の対応方法を医学的な見解を折り込みつつ、どうするのが適切なのかをお伝えしていきます。
併せて、現在双極性障害を患っている私の知人のA美さんの生の声もお届けします。
それでは、以下、A美さんと交代します。
管理人さんの知人のA美と申します。
ここからは、実際に双極性障害を患っている私が、家族から普段どう接してもらっているのか。また、家族が病気とどう向き合っていくべきかを私の実体験を交えながら詳しくお伝えします。
あなたがこの記事をご覧頂ければ双極性障害を患っている家族への対応方法が手に取るように分かるので、実行すれば良い関係が構築できます。
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双極性障害患者を持つ家族の対応はどうしたらいい?
厚生労働省の自身が発信しているWebサイト「みんなのメンタルヘルス総合サイト」に記載されている情報によれば、双極性障害とは気分が高揚している躁状態と、気分が沈んでいるうつ状態を行ったり来たりする病気だということです。双極性障害にもタイプが2種類あり、浮き沈みが激しい双極性I型と、軽度の躁状態とうつ状態を繰り返す双極性Ⅱ型があるそうです。
因みに躁状態とは、用語解説サイトのコトバンクに記載されている情報を一部抜粋すると、
気分が著しく高揚した状態。陽気で開放的になり、興奮したり怒りっぽくなるなど、普段とは違う状態が続く。自信に満ちあふれ、いつもより多弁になるが、話題は次々と変わり、他人の意見に耳を貸さなくなる。睡眠時間が短くても平気で、自制がきかなくなり買い物やギャンブルに大金を使うなどして、社会生活に支障をきたすことがある。
出典元:コトバンク
と、明示しています。
双極性障害は、症状別に分けると躁状態とうつ状態では患者の状態が異なるため、それに応じた適切な対応方法をしていくことを念頭に入れておいて下さい。
それらをふまえつつ、実際にあなたが大切にしている人に万が一躁状態や、うつ状態が見られた場合の各症状への家族の対応方法をお伝えします。
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躁状態の患者への家族からの対応
医療法人社団雅会 前田クリニックが自身のホームページに記載されている情報に、衝撃的な内容が記されていました。
双極性障害の躁状態の特徴的なところは…
- 本人には自覚がない
ということです。
躁状態の普段の行動や言動としては、気分が高揚していることに自覚がなく、やけに活発な状態です。この時の対応方法としては、患者本人に対して、「何か普段と違って身体がやけに元気で、このままだとどうなっていくのか心配だから少し病院に行こう」、と伝えて病院に連れて行きましょう。
上記の言い方で応じない場合は、言い回しを工夫するなどしてどうにか病院に連れていくようにしてください。
しかしながら、本人を騙して病院に連れていくのは後で本人が気づいた時にわだかまりを残すので、前向きな理由で伝えるようにしましょう。
実際に昔は私も躁状態だと認識することはなく、家族からは「やたら元気だな」ぐらいに思われており、病気なんて自覚はありませんでした。
うつ状態に比べたらアクティブで、私自身は楽しいのです。でもそれがはたから見れば、おかしかったようです。
家族の方にこのような症状が見られたら、様子がおかしいと思ってください。元気になってよかったなんて思ってはいけません。
精神科医師の上島国利さんが自身のホームページ上で発信している情報に、躁状態での患者の性質についての記載がありました。
それによれば、あくまでも病気がそうさせているものであり、本人の人間性に問題があるのではないそうです。
ですので、万が一患者に暴言を吐かれたとしても、病気のせいだと思っておおらかな気持ちで接してあげましょう。
先ほども申したように、本人は外部の他者から伝えられるまでは自分が現在躁状態であるという自覚がないのです。ですから、普段より何かおかしい言動が目立つ場合でも、本人に直接違和感があると言ったようなことは伝えず、身体的な面で「何か普段の様子とは違い、最近寝てないみたいだから病院に行こう」といった理由付けで連れて行こうとする旨を伝えましょう。
そうすれば、患者自身が医師から実際に話を聞くことによって、自分の現状がどうなのか真実を受け入れてもらえる場合があります。
場合によっては入院が必要になってくるケースもあるかもしれませんが、「あなたのためを思って言っている」と誠意をもって伝えたら、少なからず相手には響くと思います。
それでも、病院に連れて行くことを拒否したり、暴言や暴力行為がエスカレートすれば、最悪の場合警察に相談するのも視野に入れましょう。
あまりこういった手段は出来るだけ選びたくないかもしれませんが、大切な人が良くなってくれる事を考えるのであれば、背に腹はかえられません。
もちろん過剰に心配すると負担になり、家族の方が疲れる原因になりえますが、考え方一つで心の持ちようは変えられます。
例えば、自分の家族を部下と仮定した場合、
「最近業績が伸びて調子にのっている部下がいるから苦言を呈す」
こんな気持ちで調子がいいことを褒めつつも、おかしなところを指摘してあげてください。
当の本人はおかしいなんて思っていないので、否定されることで怒り、暴言を吐くこともあります。
ですが、先ほども述べたように「病気がそう言わせている」と思い、付き合ってあげてください。
その他、どういった症状が見られた時に病院に行くための判断材料となるのかといえば、
躁状態の時は、基本的な行動としては活発になります。
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双極性Ⅰ型の躁状態で見られる症状としては、
- 不眠状態になる
- 浪費が激しい
- 一日中活発に動き回る
- おしゃべりが止まらない
- 一つのことに集中できない
- 無茶をする
- 家族に迷惑をかける
- 社会的な問題を引き起こす
のような症状が見られた場合です。
双極性Ⅱ型の躁状態の場合、大きく人に迷惑をかけることはありませんが、「いつもよりテンションが高い」「変だな」と周囲に見られがちです。
短時間の睡眠でも活動ができ、当の本人は「今日は調子が良い!」と思うぐらいで、周囲の異変に気づくことができません。
これらの症状が見られるようであれば、病院に連れていくことを検討してください。
私は父親に「お前はおかしいぞ」と何度も言われ、その度に何がおかしいのか分からず、喧嘩になりました。
でも否定されることで、自分が周りにどんな目で見られているのか少しずつ気づくことができました。
注意することは、「他の誰よりもなんとかしてあげたい」と思える家族だからこそできる対応です。
躁状態になると、自身の体験からもお伝えできますが、善悪の区別が付きにくくなります。だからこそ「悪いものは悪い」と教えてあげてください。「元気だからいいや」と勝手な判断で思い込まないようにすることが肝要です。
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うつ状態の患者への家族の対応
一般社団法人 日本メンタルヘルス研究センターが自身のホームページ上で発信している情報によれば、双極性障害のうつ状態の患者を持つ家族の方が絶対にしてはいけない対応があるそうです。
それは、 患者のメンタル面を考慮せずに、躁状態の時のことを持ち出して「しっかりしろ」などと頭ごなしに注意することです。
なぜかというと、当の本人は躁状態の時は自覚がないのです。自覚がないからこそ「なんであんなこと言った(した)んだろう」と自分で後悔していることがあります。そんな時に躁状態の時の言動について否定されると、うつ状態が悪化するそうです。
それでは、患者がうつ状態が見られた場合に家族がどうすればいいのかですが、
- そっと見守る
- そばにいること
- 味方がいること
を伝えて(して)あげてください。
症状が悪化するようであれば、すぐに病院へ連れていき、医師の診断をきちんと聞くことが大切だということです。
極力うつ状態の時は、病院に家族の方が付き添うことをおすすめします。なぜ家族が付き添うべきなのかは、患者本人が躁状態の時の自覚がないからです。
また、うつ状態の時に病院に行き、うつの状況だけを医師に話して完結してしまうと、適切な処方ができない可能性があります。そのため、双極性障害は快方に向かうことができません。
むしろ悪化していきます。
双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返していきます。うつ状態だけを病院で治療していってもまた躁状態に陥り、その反動でうつ状態に突入するケースが多いそうです。
うつ状態への対応は、至ってシンプルに考えましょう。
うつ状態の時の対応方法は、
- 病院に付き添う
- うつ状態以外のことを医師に報告する
- 患者に躁状態の時のことには触れない
これだけでも症状の悪化を防げます。
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双極性障害のうつ状態の症状がどういった症状が現れるのかは、一般的に知られているうつ状態の症状と変わりありません。
どんな症状が出るのかというと、
- 鬱鬱な感覚に襲われる
- 何もかもに興味を失う
- 何もやる気が起きない
- 集中力がなくなる
- しゃべり方や反応がにぶる
- 食欲が低下する
- なかなか寝付けない
- 疲れやすくなる
- 自信喪失する
- この世からいなくなりたいと考える
- 決断することが難しくなる
などの症状が複数出ていると、うつ状態だと言われています。
躁状態の時と同様、これらの症状が見られるようであれば、病院に連れていくことを検討してください。
私は双極性障害の診断から10年の月日が経ちました。幼い頃から傾向はあったものの、周りが気づかないまま月日が経ち、うつ状態の悪化により高校生で心療内科を受診。
そこで双極性障害の診断が出たものの、投薬などで症状が落ち着き、安定したことで病院に行くのを止めてしまいました。その油断が悪化を招き、現在躁状態とうつ状態の入れ替わりの期間が短くなり、一般的には悪化している状態です。
そのため、医師の判断が下るまでは通院を続けていきましょう!自己判断をしてはいけません。
私は、担当医に言われた衝撃の一言がありました。
「よく生きていたね」この言葉を聞いた時に、父親が必死に私を守ってくれていたからだと思いました。
それでは、あなたの家族である双極性障害を患っている患者に対して、この先家族崩壊とならずに円満に過ごすためには、一体どうすればいいのでしょうか?
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双極性障害になると家族崩壊で疲れるのか?
双極性障害には、先ほど述べた通り躁状態とうつ状態を繰り返したり、安定している時期が来たりします。ですので、双極性障害患者は周りの関係者からするとどうしても接しづらくなってしまいがちです。
度が過ぎると、家族崩壊にもなりかねません。
実際にネット上で調べていくと、「躁状態の時は鬱陶しい」「うつ状態の人になんて声をかければいいかわからない」という家族の声は多数存在します。
私自身、双極性障害は厄介だと思っています。テンションが上がったり下がったり、自分の感情をコントロールできず、自分が嫌になります。
家族間でも同様にやはり鬱陶しく感じたり、なんて声をかけたらいいか分からず悩むそうです。
しかしその反面、ネット上では双極性障害の患者を持つ家族の方は「どうにか助けたい」という気持ちを持っている方がより多くいるように感じました。
幸いなことに、私の父親は「面倒だけどお前の一生の味方は親である俺しかいない」と言ってくれました。
父親には、私が双極性障害を患ったばかりに恐らく私の知らないところで大変苦労していたのだと思います。それを想うと本当に申し訳なかったと感じますが、私の命の恩人でもあるので、今では感謝してもしきれません。
私は現在結婚しているので親元は離れているのですが、今後も自分が出来る範囲で何らかの形で親孝行をしていけたらと考えています。
この記事を読んでくださる方も、どうにか助けたい気持ちがあるのではないでしょうか?
そうであれば、先ほど状態別に挙げた患者への対応方法を参考に接してみてください。
そうすれば、患者とは溝が深まっていくことはないと思います。
それに加えて、パートナーが双極性障害を患っていれば、今後一生添い遂げるにあたってやっていけるのか心配になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
次章では、双極性障害患者のパートナーがいる方へ向け、離婚問題にも少し触れたいと思います。
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離婚するかどうかの判断は?
離婚の決断は難しい問題です。双極性障害は、現在の治療法では完治が難しい病気と言われています。実際に私自身担当医からは、「完治はしないが改善はできる」と言われています。
主人は承知の上で支えてくれてはいますが、この理解される信頼関係が崩れてしまえば終わりかもしれません。
患者が家族に対する本心の信頼性と、家族が患者に対する支える気持ちや、病気への理解のバランスが崩れると危ないのではないでしょうか?
まずは医師や、カウンセラーに相談をすることをおすすめします。
まとめ
ここでは、再び管理人がこの場で記事全体を総括したいと思います。
A美さんご登場頂き、ありがとうございました。
双極性障害の家族の対応方法として、状態別に詳細にご理解頂けたかと思います。
A美さんが実際に体験した実例も交えてお伝えして頂いたので、リアリティがあったのではないでしょうか?
双極性障害(躁うつ病)は、周りからすれば度が過ぎた気分屋だと思われがちです。でも患者本人に自覚はないため、家族の助けが重要だということですね。
躁状態の患者の話は、真に受けないことが大切だということがよく分かりました。例え、暴言などを吐かれたとしても「病気のせいで言っているのだ」と考えると、動揺せずに済みますね。うつ状態はそっとしておくことが一番で、周囲に味方がいることを示してあげることが大事だということは深く考えさせられました。
どうか双極性障害の患者を持つ家族の皆さん、愛情を持って接してあげてください。うまく付き合えるようになれば、日常生活は問題なく過ごせるようになるはずです。
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